2007年5月30日水曜日

フレームとドメイン

「フレーム (frame)」という英単語がある. 我々の馴染みの言葉で言えば, フレームワークとか, マイケル・ジャクソンの問題フレームとか, 知識表現のフレーム理論の「フレーム」だ. なんだか気安いけど, よく分からない.


同じような英単語に「ドメイン (domain)」というのがある. ドメイン・モデルとか, 問題ドメインとか, ドメイン分割とか. こっちも気安く使っているけど, よく分からない. ドメインとフレームは似ているような気もするけど違うような気もする.


ドメインはもともと「領地」だ. つまりヨーロッパの地続きの野山に, 「俺は領主だ」と自称した人間たちが「ここは俺の」「いや, ここもあそこも俺の」と言って線を引いて回ったのだ. 領地が違うと, 税金の取り立て方も違うし, 言葉も違う. 領地と領地との間には橋が架かっていて, 門番がいたりする. ドメインとはそういうことだ. 何か対象があって, それを何かの都合でぶった切って, 別々の支配下に置いたものだ. だから UI のドメインとパーシステンシ (永続化) のドメインでは, まったく違う法則が支配しており, その二つのドメインをつなぐにはブリッジがいるわけだ.


一方. フレームは枠だ. カメラのファインダから覗いた感じだ. ズーム・イン / ズーム・アウトしたり, 視点を低くしたり高くしたりすると, 景色が違って見えるでしょ. よく右手と左手の親指と人差し指を組み合わせて四角を作って, 目の前に当ててみたりするじゃない. 「こう見たらいいんじゃないか」「こっちから見るとこう見えるな」というときに目の前に置かれたのがフレーム. 別のフレームを置けば別のように見えるけど, 対象そのものが変わってしまったわけじゃない. でも見ている人にとってぴったりくるフレームというものがある.


ソフトウェアを作ろうと思うと, 現実の世界を何とか分割する (分ける = 分かる) ことが必要になるんだけど, フレームとドメインはそのそれぞれ違うやり方ということになる. ドメインは支配者の思想で, フレームは観察者の思想と言えるかもしれない. ソフトウェアを作るには多分どちらも必要. けど, どういうときにどっちのやり方をどれくらい取るか, でそのエンジニアの感性, 思想, 経験が試されることになる. 最適な方法は多分, ない.



2007年5月27日日曜日

Titanium PowerBook G4 に LINKSYS WPC54G を

初代 PowerBook G4 はまだ子供たちのメイン・マシンとして (思いっきりぞんざいに:-) 使われているわけだが, ついに AirMac カードが壊れたようで, 無線 LAN につながらなくなった. デバイスとしては認識されているし, 再起動するとたまーにつながることもあるのだが, 基本的にはつながらない. 裏蓋を開けて指し直してみても変わらない. カード自体が発熱しているわけでもない.


さて, どうしたもんかとジャンク箱を覗いてみると, LINKSYS WPC54G と corega PCC-11 という PC カードがあった. PCC-11 は使えなかったが, WPC54G はそのままで AirMac として認識された.


ただし, WPC54G でつないでいるつもりでもやはり無線 LAN につながらない ("AirMac" というデバイスが二つあって混乱している感じ) ので, 内蔵の AirMac カードを物理的に外すと何の問題もなくつながった.


外部アンテナになったし (TiPB の無線 LAN の内部アンテナは感度が低かった), 11g になって速くなったので, 子供たちもさぞや嬉しいことであろう.



2007年5月23日水曜日

陶芸家の友人, 宮崎さんにいただいた地母神坐像に, 5年目にしてようやく祠を建てることができた.

20070523112.jpg

庭の切った若竹と棕櫚の葉で屋根を葺いただけだけど. よかった, よかった.


とても日本の光景とは思えない. 何千年か前, 熱い日の下でこうして座っていた人があったに違いない. 今も, か.



2007年5月21日月曜日

実行可能知識の経済学 / Engineer Mind Vol.5

Engineer Mind 5 号のソフトウェア経済学特集のひとつとして, 「実行可能知識の経済学」をもう 1 ヶ月近く前から書き始めているのだが, 2 週間前にあまりのつまらなさにすべてを捨てて, 書き直し初めて以来, ようやく方向が見えてきた (やうな気がする).



こんなことをしていて間に合うのだらうか...



もう書いてしまったものは仕方ない. 大槻さんに送ってしまった.



とにかくこれで groovy/grails に戻れる (いやまた頭を切り換えるのに何日かかかるんだけど).



2007年5月14日月曜日

@IT 2007/06

ようやく風邪が治った (嘘. でもまた別の風邪を引いているような気もする). と思ったら, 今度は Engineer Mind 5 号の原稿と @IT の原稿と ソフトウェア・シンポジウム 2007 でやるチュートリアルの準備を抱えて, 茫然としているのである.



@IT は今度は「場」をテーマにして, 何回かシリーズ化したいと思っているのだが, 場を導入するまでがなかなかうまくいかない. そもそもこんな話を聞いて誰が喜ぶというのだろうか? という恒例の締め切りブルーになりつつある...



という壁を乗り越えて, 何とか谷古宇さんに原稿を送り届ける, 今日一日であった.