2007年8月6日月曜日

ソフトウェアをめぐる社会を流れる価値

という Engineer Mind 6 号 (技術評論社) のソフトウェア経済学特集 II の 1 章分の原稿をようやく脱稿.


今までのバリュー・チェーンの考え方を ハード・バリュー・チェーン (HVC) と呼ぶとしたら, ソフトウェアに特に顕著に見られるような (実際はソフトウェアだけではなく, 現在の多くのサービスやハードウェアの売り方にも共通する) ソフト・バリュー・チェーン (SVC) との違いのポイントは三つ.



  • HVC が一次元的な川であるのに対して, SVC は循環を含む三次元的な海流

  • HVC が価値のみに注目した一本の流れであるのに対して, SVC は複数の流れの複合体

  • HVC では価値を先に定義するのに対して, SVC では流れることが価値があることと定義する


ただし 「ソフト」といっても特に知識や信念, 嗜好のようなものが絡む場合で, ハードウェアや物理的な実体を伴わないものがすべてソフト・バリュー・チェーンというわけではないことに注意.


発売は 9 月中旬ですかね.