2006年9月14日木曜日

第 25 回ソフトウェア品質シンポジウム

日科技連の第 25 回ソフトウェア品質シンポジウム (東京有明 TFT ビル) の招待発表で「アジャイルがもたらす天国と地獄」という講演をしてきました.


ご来場の皆さん, 有り難うございました. スライドはこちら (PDF, 204KB) (実際の発表にはここにない情報もあったんですけどね:-)


アジャイルがうまくいかなかった例, うまくいった例を事後のインタビューを通して較べてみたものです. アジャイルかどうかにかかわらず, 皆さんのプロジェクトでプロセスを換えたときにこのインタビュー項目を使って自問自答してみるといいと思います.

自分の講演よりも, 僕の前の関さん (東芝) の発表内容が大変面白くて, 僕の講演でもだいぶ参照させてもらいました.

2006年9月6日水曜日

モデル駆動開発入門

9/4~5 の二日間にわたってモデル駆動開発の講義をしてきました. 資料はこちら.


ポイントは



  • OMG の MDA だけがモデル駆動開発ではないし, 逆に MDA の中で開発は一部でしかない


  • Django (Ruby on Rails と同じようなフレームワーク) からオントロジまで, モデル駆動開発を広い意味で扱っている


  • Kennedy-Carter の iUMLite を扱っているのは日本ではあまりないだろう


といったところでしょうか.


# R on R ではなく Django を扱ったのは, Django の方が好みに合っているから, というだけのことです.


現時点ではモデル駆動開発はまだダメダメです. xUML 系を除けば現場で使う気にならないのも当たり前. xUML 系はコストがかかりすぎるし, いつの間にか MDA からははずれちゃったから主流と思われていない.


一方でモデル駆動開発自体は間違いなくこれから重要になっていくでしょう. ただし MDA 流のトップダウンで重量級のモデル駆動開発も多分そのうちに消える (大胆な予想!). 片や Django や R on R のようなボトムアップのモデル駆動開発, 片やプロセスやオントロジのようなアッパー・モデリングがキー概念です.


それより何より, ソフトウェアの産業構造そのものが変わらなければモデル駆動開発はあり得ない.

というような話を日経 BP の進藤さんにしました. 日経エレクトロニクス 2006.9.11号 (No.934) の「設計図がない」特集になっています. まぁ僕の発言がどの程度反映されているかはともかく:-)