2008年1月4日金曜日

ビジネス

1970年代のイギリスにIslandとVirginという音楽レーベルがあった.


Islandはその名前の通り, 「島」の音楽 (例えばその当時メジャ=グロバールではなかったレゲエなど) に特化したレーベルだった.


一方Virginはファン向けの通信販売から出発したレーベルだ. Virginの元のオーナーのリチャード・ブロンソンは今やヴァージン・アトランティック航空のオーナーでもあり, 気球で飛んだりする変な伯父さんであったりもする.


どちらも「変な」レーベルであったのは間違いない. そして思春期だった僕はどちらのレーベルからも大きな影響を受けた. 音楽的にも, ビジネスとしても.


今ならば「ニッチ」という言葉で説明されるのだろうけど, それがふさわしいとは思わない. IslandやVirginからリリースされるのは「変わった」音楽だった. その何と楽しかったことか. Virginはマイク・オールドフィールドの「チューブラベルズ」で成功し, ファウストやカンタベリ系の音源をいっぱいリリースしていた (レゲエも出してたな). Islandもレゲエだけではなく, EG Production (キング・クリムゾンやロキシー・ミュージックをマネジメントしていたオフィス) に連なるアーティストの音源をリリースし続けた.


その後, ロックは死んで, パンクやニュー・ウェーブの時代になった. その時にはRough TradeやFactoryが「変な」音源をリリースし続けた. Rough Tradeはもともとレコード屋だ. Factoryを作ったのは「ファン」(実際にはちょっとした金を持っていたジャーナリスト) だった. その時代に限らず, とがったポップ音楽というものはいつもそうだったのではないかと思う.